初めての工場閉鎖・工場整理の流れをわかりやすく解説|担当者が押さえるべき5つのステップ

「工場閉鎖が決まったけれど、何から手をつければいいのか全くイメージが湧かない……」

そんな担当者の方は少なくありません。

工場閉鎖・工場整理では、

  • 賃貸契約や原状回復の条件確認
  • 工場内の設備・機械・在庫の整理
  • 機械買取やスクラップ売却、産廃処理の手配
  • 原状回復工事・解体工事との連携

など、やるべきことが非常に多く、全体の流れが見えていないとスケジュールが破綻しがちです。

そこで本記事では、
「初めて工場閉鎖を任された担当者」の目線で、

  • 工場閉鎖・工場整理の基本的な考え方
  • つまずきやすいポイント
  • やるべきことを整理した「5つのステップ」

を、できるだけ分かりやすく解説します。

最後まで読んでいただくと、

  • 退去までの全体像
  • 自社でやることと専門業者に任せる部分
  • コストを抑えるためのポイント

が整理でき、工場閉鎖プロジェクトのたたき台としてそのまま使えるレベルになるはずです。

目次

工場閉鎖・工場整理とは?まずは用語の整理から

画像挿入

工場の閉鎖や移転が決まると、「とにかく片付けないと」と思いがちですが、厳密には**「工場閉鎖」と「工場整理」「原状回復(解体)」はそれぞれ役割が違う**ものです。ここをあいまいなまま進めてしまうと、社内の認識が揃わなかったり、オーナー側とのトラブルにつながったりします。

まずは、

  • 経営判断としての「工場閉鎖」
  • 現場の片付け業務としての「工場整理」
  • 建物や設備を元の状態に戻す「原状回復・解体工事」

この3つのイメージを整理しておくことで、自社でやるべき範囲と、専門業者に任せるべき範囲がはっきりし、プロジェクト全体の見通しが立ちやすくなります。

以下で、それぞれの意味と関係性をもう少し具体的に見ていきましょう。

工場閉鎖=事業の「大きな決定」

「工場閉鎖」は、単に工場を片付けるだけでなく、

  • 廃業
  • 他拠点への生産機能の移転
  • 生産ラインの統合・縮小

といった、事業レベルの大きな決定を含みます。

その中には、

  • 法務・税務上の手続き
  • 従業員の配置転換・雇用調整
  • 取引先への案内や引き継ぎ

なども含まれますが、本記事では特に、現場レベルの「工場を空にして引き渡すまで」の流れに焦点を当てます。

工場整理=工場内を「空っぽ」にするための実務

一方で「工場整理」とは、

  • 工場内の設備・機械・棚・什器の撤去
  • 不用品・残置物の回収・処分
  • スクラップや中古機械の売却
  • 事務所・倉庫内の片付け

など、工場内を原状回復工事・解体工事に引き渡せる状態まで「空っぽ」にすることを指します。

工場閉鎖という大きな決定の中の、
「現場の片付けパート」が工場整理、というイメージです。

原状回復・解体工事との関係

よくある疑問が、

どこまでが「工場整理」で、どこからが「原状回復工事」なのか?

という点です。

ざっくりとしたイメージでは、

  • 工場整理
    • 什器・棚・設備・残置物の撤去
    • 機械類の搬出・買取・スクラップ化
    • 不用品・産業廃棄物の処分
  • 原状回復工事/解体工事
    • 床・壁・天井の補修
    • 配管・電気設備の撤去・復旧
    • 建物の解体 など

という分担になります。

実務上は、工場整理の段階できちんと床が見える状態まで空にしておくことで、
原状回復工事・解体工事がスムーズに進みます。

初めての工場閉鎖で担当者がつまずきやすい3つのポイント

初めて工場閉鎖・工場整理を担当すると、次のような部分でつまずきやすいです。

1. 退去期限から逆算したスケジュールが引けていない

  • 「○月末までに引き渡してほしい」と言われているのに、
    そこから逆算した具体的な作業スケジュールが決まっていない
  • 「操業停止はいつまで?」「いつから撤去工事に入る?」が曖昧なまま走り出してしまう

結果として、

  • 見積もりを取る時間が足りない
  • 業者の空きがなく、希望日程で対応してもらえない
  • 作業が夜間・休日対応になり、コスト増

といったリスクが高まります。

2. 何を残して何を処分するか、社内方針が曖昧

工場内には、

  • 移転先でも使う設備・機械
  • 売却できる機械・工具類
  • スクラップとして売れる金属類
  • 廃棄するしかないもの

が混在しています。

これを最初に整理しておかないと、

  • 「あとからやっぱり残すと言われ、予定していた撤去が止まる」
  • 「自社で勝手に解体・分別してしまい、買取価格が下がる」
  • 「後日、オーナー側から残置物の指摘が入り、追加費用が発生する」

といったトラブルの原因になります。

3. 産廃・スクラップ・機械買取の線引きが曖昧で、コストが膨らむ

同じ「鉄の塊」に見えても、

  • そのままの状態なら「中古機械」として価値がつくもの
  • 解体すれば「スクラップ」として価値がつくもの
  • 処分費を払って「産業廃棄物」として出すしかないもの

が混ざっています。

線引きが曖昧なまま進めると、

  • 本来は売却できたものを、処分費を払って捨ててしまう
  • 自社で解体・分別してしまい、スクラップ価値が下がる

という**「もったいない」状態になりがちです。

工場閉鎖・工場整理の全体の流れ【まず全体像を把握】

まずは、工場閉鎖・工場整理の大まかな流れを整理します。

  1. 閉鎖方針・退去期限の決定
  2. 工場内の棚卸し・区分(残す/売る/スクラップ/廃棄)
  3. 機械買取・スクラップ売却の検討
  4. 残置物撤去・工場内の片付け
  5. 原状回復工事〜最終確認・引き渡し

この5ステップを意識しておくと、
「今、自分たちがどのフェーズにいるのか」が見えやすくなります。

社内でやること・専門業者に任せることの切り分け

ざっくりとした役割分担は下記のイメージです。

社内でやることの例

  • 閉鎖方針の決定(廃業/移転/統合など)
  • 賃貸契約の確認、オーナー・管理会社との打ち合わせ
  • 残す設備・機械の選定
  • 工場内の棚卸し(一覧表作成)
  • 業者選定・見積もり比較・稟議

専門業者に任せることの例

  • 大型機械の搬出・撤去
  • 機械買取・スクラップ回収
  • 什器・棚・中二階・鉄骨構造物などの解体撤去
  • 不用品・産業廃棄物の運搬・処理
  • 原状回復工事・解体工事(提携業者との連携含む)

最初から「すべて自社でやる」のではなく、
「どこまで自社で対応し、どこからを外部に任せるか」を早い段階で決めることが重要です。

賃貸契約・オーナーとの打ち合わせで確認しておきたいこと

賃貸工場の場合、特に重要なのが「原状回復」の条件です。

  • どこまで撤去が必要か(基礎・土間・配管・電気設備など)
  • 残置してよい設備(エアコン・照明・ラックなど)はあるか
  • 原状回復工事を行うのはオーナー側か/借主側か
  • 退去立会いのタイミングと内容

これらを曖昧にしたまま進めると、
引き渡し時に「思っていたよりも復旧範囲が広かった」というトラブルにつながりかねません。

工場閉鎖・工場整理の5つのステップ【実務フロー】

ここからは、実際の業務フローを5つのステップに分けて解説します。

STEP
閉鎖方針と退去期限を決める

最初に行うべきは、

  • 「工場をいつまで稼働させるのか」
  • 「いつまでに完全に明け渡すのか」

という期間と方針の確定です。

具体的には、

  • 工場の操業停止日
  • 退去期限(引き渡し日)
  • 解約予告期間(契約で定められた○ヶ月前など)
  • 工場閉鎖に伴う社内スケジュール(生産の切り上げ・移転先の立ち上げなど)

を整理します。

この段階で、

  • オーナー・管理会社との原状回復条件の確認
  • 工場閉鎖・工場整理にかけられる予算の目安

も把握しておくと、後の見積もり比較がスムーズになります。

STEP
工場内の棚卸しと4つの区分(残す/売る/スクラップ/廃棄)

次に行うのが、工場内の棚卸しです。
ここで重要なのは、単なる在庫確認ではなく、「行き先」を決める棚卸しにすることです。

代表的な区分は次の4つです。

  1. A:移転先でも使うもの(残す)
  2. B:中古機械として売却できそうなもの(機械買取)
  3. C:金属スクラップとして売却できるもの
  4. D:廃棄するしかないもの(産業廃棄物・一般廃棄物)

棚卸しのポイントは、

  • ざっくりでも良いので「リスト化」しておく(Excelなど)
  • 価値の判断が難しいものは、早めに買取業者に相談する前提で残しておく
  • 自社判断で細かく解体・分別しすぎない

ことです。

特に機械や金属類は、状態次第で「買取」「スクラップ」「産廃」が変わるため、
プロの目線も入れながら判断していくことが、結果としてコスト削減につながり

STEP
機械買取・スクラップ売却で工場整理費用を圧縮する

工場閉鎖・工場整理の費用を抑えるうえで、
機械買取・スクラップ売却の活用は非常に重要なポイントです。

中古機械としての「買取」

  • まだ稼働できる工作機械・射出成型機・コンプレッサー・発電機などは、
    中古機械として買取できるケースがあります。
  • 製造年式やメーカー、型番、稼働状況などを確認し、
    まとめて査定してもらうことで、
    工場整理にかかる費用の一部を相殺できることもあります。

金属スクラップとしての「売却」

  • すでに使えない機械や鉄骨・棚・配管なども、
    金属スクラップとして売却できる場合があります。
  • 自社でバラバラに解体してしまうと、
    「どの金属がどのくらい混ざっているのか」が分かりづらくなり、
    結果としてスクラップ価格が下がってしまうこともあります。

Factory-Boxのような「買取+整理」一括対応のメリット

  • 機械買取・スクラップ回収・不用品処分・残置物撤去などをワンストップで対応できる業者であれば、
    「どこまで買取に回せるか」を見極めながら工場整理を進められます。
  • その結果、
    • 処分費の削減
    • 作業工程の簡略化
    • スケジュール管理の一本化
    といったメリットが期待できます
STEP
残置物撤去と工場内の片付け

買取・スクラップ化の目処が立ったら、
工場内の残置物撤去・片付けに入ります。

片付け・撤去の内容

  • 各種棚・ラック・作業台・事務机・ロッカーなどの撤去
  • 長年溜まった部品・在庫・半製品・廃棄物の片付け
  • 天吊りクレーン・中二階・鉄骨構造物などの解体撤去
  • 事務所・休憩室・倉庫部分の整理・撤去

産業廃棄物の適切な処理

工場からは、次のような産業廃棄物が出ることが多いです。

  • 使用済みの油・薬品・溶剤・塗料
  • 汚泥・廃プラスチック・ゴム
  • 金属くず・ガラス・陶磁器くず など

これらは、産業廃棄物として適切な処理が必要です。

  • 産業廃棄物収集運搬業・処分業の許可を持つ業者に依頼する
  • 必要に応じてマニフェスト(産廃管理票)を発行する

など、法令を守った対応が求められます。

STEP
原状回復工事〜最終チェック・引き渡し

工場内が「空っぽ」の状態になったら、
原状回復工事・解体工事のフェーズです。

原状回復工事の主な内容

  • 床の補修・塗装の剥離や再施工
  • 間仕切り壁の撤去・復旧
  • 電気設備・配管・ダクトの撤去
  • 事務所部分のクロス・床材等の原状回復

これらの範囲は、賃貸契約やオーナーとの取り決め次第で変わります。

最終チェック・引き渡し

工事が完了したら、

  • オーナー・管理会社立会いのもと、原状回復状態を確認
  • 必要に応じて是正工事を実施
  • 鍵の返却・引き渡し書類の取り交わし

といった流れで、工場閉鎖・工場整理のプロジェクトは完了します。

工場閉鎖にかかる費用のイメージと、コストを抑える3つのコツ

工場閉鎖・工場整理の費用は、規模や中身によって大きく変わりますが、
一般的には次のような項目に分けられます。

費用の主な内訳

  • 機械の搬出・撤去費用
  • 不用品・残置物の撤去費用
  • 産業廃棄物の処分費用
  • 原状回復工事費用
  • 建物解体費用(解体まで行う場合)

これらを少しでも抑えるために、次の3つのポイントを意識しましょう。

コスト削減のコツ①  機械買取・スクラップを最大限活用する

  • 稼働可能な機械は中古として買取査定に回す
  • 鉄骨・棚・配管などもスクラップとして評価してもらう
  • 自社で無理に解体せず、価値が残る形でプロに任せる

コスト削減のコツ②  退去期限から逆算して、複数業者の見積もりを比較する

  • 直前にバタバタと見積もりを取ると、
    「スケジュール優先」で価格交渉がしづらくなります。
  • 少なくとも数ヶ月前から動き出し、複数業者から見積もりを取得することで、
    コストだけでなく作業内容・提案の質も比較できます。

コスト削減のコツ③  自社作業と業者作業の分担を決める

  • 自社で対応しやすい軽作業(書類の整理・消耗品の処分など)は社内で行い、
  • 専門性や安全性が求められる作業(重量物の搬出・高所作業・産廃処理など)は業者に任せる

といった形で、役割分担を明確にすることもコスト最適化につながります。

自社で進める場合と、専門業者に任せる場合の比較

工場閉鎖・工場整理を「自社中心で進めるか」「専門業者に任せるか」は、
規模やスケジュールによって判断が分かれるところです。

自社中心で進めるメリット・デメリット

メリットをテーブルに変更

メリットデメリット
表面的には外注費を抑えられる
社内の状況・設備に詳しいスタッフが主導できる
人員が取られ、本来の業務に支障が出る
安全対策・法令遵守の観点でリスクを抱えやすい
機械買取・スクラップ化のチャンスを逃しやすい
スケジュール管理が属人化し、トラブル時のリカバリーが難しい

専門業者に任せるメリット

工場閉鎖・工場整理に慣れている業者に相談すると、次のようなメリットがあります。

  • 重量物の搬出・解体撤去のノウハウ・機材を持っている
  • 機械買取・スクラップ・産廃処理まで一貫した提案ができる
  • 原状回復工事・解体工事業者との連携も含めて、「工場を空っぽにして引き渡す」ゴールから逆算して計画を立てられる
  • 安全管理・近隣対応の経験があり、トラブルを未然に防ぎやすい

専門業者に相談したほうがよい工場のチェックリスト

次のような条件に当てはまる場合は、
早めに専門業者への相談を検討すべきです。

  • 大型機械・重量物が多い
  • 天吊りクレーン・中二階・鉄骨構造物がある
  • オイル・薬品・特殊な産業廃棄物が多い
  • 退去期限までの期間が短い
  • オーナーから原状回復の条件が細かく提示されている

Factory-Boxに工場閉鎖・工場整理を相談するメリット

初めての工場閉鎖・工場整理では、「どこから手をつければいいのか」「どこまで自社で対応して、どこから専門業者に任せるべきか」が分かりにくいものです。Factory-Boxは、そんなご担当者さまの不安や手間をできるだけ減らし、工場を“空っぽにして引き渡す”ところまでを逆算してサポートすることを大切にしています。

単なる「片付け業者」ではなく、機械の買取やスクラップ回収、不用品撤去、残置物の整理までをワンストップで対応できるため、コスト面・スケジュール面の両方でムダの少ない工場閉鎖プランをご提案できます。

ここからは、Factory-Boxに工場閉鎖・工場整理をご相談いただく具体的なメリットを、順番にご紹介します。

工場整理+機械買取+スクラップ回収をワンストップで対応

Factory-Boxでは、

  • 工場内の残置物撤去・不用品処分
  • 機械の買取・スクラップ回収
  • 棚・ラック・鉄骨などの解体撤去

といった工場整理を、ワンストップで対応しています。

工場閉鎖に伴う「片付け」と「買取・スクラップ」を切り分けず、
トータルで最適なプランをご提案できるのが強みです。

原状回復・解体業者との連携で「空っぽの状態」までサポート

提携している原状回復・解体業者と連携し、

  • 「ここから先は原状回復工事」というラインを意識しながら、
  • 工場内を空っぽの状態にしてバトンを渡す

といった形で、ゴールから逆算した工場整理を行います。

地域密着で、現地調査〜お見積もりまで無料対応(例)

対応エリア内であれば、

  • 現地調査
  • 工場内の棚卸しのアドバイス
  • 工場閉鎖・工場整理の進め方のご相談

無料で行っているため、

「まだ正式に閉鎖日程が決まっていないが、どのくらいの期間と費用がかかりそうか知りたい」

という早めの段階でのご相談も歓迎です。

まとめ|初めての工場閉鎖でも、5つのステップで全体像を押さえれば怖くない

初めて工場閉鎖・工場整理を任されると、
やるべきことの多さに圧倒されてしまいがちです。

しかし、本記事で紹介した5つのステップに沿って整理していけば、
全体像はぐっと見えやすくなります。

  1. 閉鎖方針と退去期限を決める
  2. 工場内の棚卸しと「残す/売る/スクラップ/廃棄」の区分
  3. 機械買取・スクラップ売却で工場整理費用を圧縮
  4. 残置物撤去と工場内の片付け
  5. 原状回復工事〜最終チェック・引き渡し

この流れを押さえたうえで、
自社で対応できる部分と、専門業者に任せるべき部分を切り分けることが、
工場閉鎖をスムーズかつ安全に進めるポイントです。

「うちの工場の場合は、どの程度の費用・期間がかかりそうか知りたい」

という場合は、
現地調査とお見積もりから、まず一歩を踏み出してみてください。

ファクトリーボックス拠点
会社名有限会社ファクトリーボックス
住所大阪府門真市四宮3-1-46
営業時間9:00~17:00
(LINE・メールでのお問い合わせは24時間可能です)
古物商許可番号第62230R076548号
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